【公務員志望者向け】市役所時代に感じたジレンマその1【お金編】

こんにちは、消しゴム的存在です。

今日は、公務員志望の方向けに、僕が市役所で勤めているときに感じたジレンマについてお話しようと思います。

以前、公務員時代に感じたことを綴った記事も書いていますので、あわせて参考にしていただければ嬉しいです。

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目次

市役所勤め時代に感じたジレンマ【お金編】

【結論】結局、世の中は金だ

いきなり身も蓋もないことを言いました。

正確には、「世の中すべてが金とは言わないが、ほとんどの問題は金で解決する」ということです。

僕は、5年間の市役所勤めのなかで、このことを痛感しました

もっとお金があれば、もっと良い街にできるのに・・・。

もっとお金があれば、この問題を解決できるのに・・・。

何度こんなことを思ったかわかりません。

良かれと思って提案しても、「予算がない」「予算がつかないからできない」という場面に何度出会ったことでしょう。

もしあなたが役所に入ったら、「こうしたら絶対よくなるじゃん!」とか「ここに予算使うべきでしょ!」と思っても予算がつかず、「絶対おかしいでしょ!」という思いを抱える場面に出会うと思います。

「住民のために!」という思いが強ければ強いほど、「お金がなくてできない」というジレンマを感じやすいかもしれません。

役所が使えるお金は年々減っていきます

税金を納めてくれる人は、今後どんどん減っていきます

なんでかというと、日本の総人口が減るからです。

国立社会保障・人口問題研究所のHPより

●わが国の人口推移―明治期~21世紀―わが国の人口推移 明治期から21世紀

http://www.ipss.go.jp/pr-ad/j/jap/03.html

これは「国立社会保障・人口問題研究所」という機関が推計を行った結果ですが、あと40年も経つと、人口が3分の2くらいになるんですよね。

でも、「人口が減るなら出ていくお金も減るでしょ?」となるかといえば、多分そうはなりません

なぜなら高齢者が増えるからです。

寿命が伸びるのはいいことだと思うんですが、2065年の老年人口(65歳以上の高齢者)の割合を見ると、38.4%となっており、3人に1人が高齢者になると見込まれています。

今よりも高齢者が増えれば、当然、自治体が負担する扶助費(児童・高齢者・障害者・生活困窮者などに対して国や地方公共団体が行う支援に要する経費)の必要性も高まります。

なので、高齢者が増えると今よりも支出が増える可能性が高いのです。

結局、税収は減るけど、支出は減らないということになり、まちづくりに使える予算は右肩下がり・・・ということになります。

「役所の無駄を削ればいいじゃないか!」という意見もあるかと思います。

それはそのとおりなんですが、無駄を全部なくしても、人口が減る以上、お金が厳しい状態は構造的に回避できないと思います。

とはいえ、市役所がビジネスをするわけにもいかない

そうはいっても、水道料金や広告料などの例外を除くと、市役所が堂々とお金稼ぎをする方法は基本的にありません。

なぜなら、そもそもの存在意義が破綻してしまいます。

というのも、みんなでお金を出し合って、みんなが必要とする仕事を、みんなのために進める組織をつくりましょう、というのが行政のスタートだったはずです。

たとえば、火事が起きると1人では消しようがないし、まわりの家にも飛び火してしまうかもしれない。

火事はいつ、誰のところで起きるかわからないから、すぐに火を消しに行ける仕組みが必要だ。

だから、みんなでお金を負担して、火事に備える組織をつくっておこう!

これが消防署ですよね。

大なり小なり、行政で担っているのは、本来そういう仕事であるはずです。

つまり、住民みんなのためにならなければならないのです。

だからこそ、税金は住民のみなさんにおさめてもらうという仕組みになっていますよね。

もし、ビジネスをしようとすると、ターゲットをしぼって、サービスや商品を作って、マーケティングをかけて・・・、なんてやっていくわけですから、住民みんなのためにならなければならないという存在意義から離れていってしまいますよね。

なので、税収が減るからといって、「じゃあお金を稼ごう!」みたいなことも難しいわけです。

[voice icon=”https://keshigomteki-blog.work/wp-content/uploads/2019/04/ac187f8554eb5ea799e9e73a626d14f6.jpg” name=”消しゴム的存在” type=”l”]そもそもビジネスができるのかという問題もあります。[/voice]

ある事務職員のジレンマ

さて、ちょっと大きな話をしてきましたが、上記のことを前提に、僕が実際にジレンマを感じた体験談を話していきたいと思います。

要は、全体の予算の上限は決まっているので、実務上も、結局パイの取り合いになるんですよね。


入庁して教育委員会に配属された僕は、3年目を迎えていました。

少しずつ仕事も覚えてきたころ、新しい業務を担当することになりました。

その仕事とは、学校の先生方が使うパソコンの整備でした。

そのころ、学校には業務用のパソコンが2人に1台くらいしか整備されておらず、多くの先生が私物のパソコンを使って仕事をしていました。

ところが、さすがにセキュリティ的な問題もあるということで、先生全員に割り当たるように業務用パソコンを整備する事業を行うことになりました。

その時に、偶然、僕にお鉢が回ってきたのです。

とくにパソコンの知識があるというわけではなかったので、最初は文字通り右も左もわからない状態でした。

その後、四苦八苦しながらも、なんとか整備が終わり、1人1台のパソコンが割り当たるようになりました。

学校との調整も一段落し、新しい環境に馴染んでもらっていた頃、ある事件が起きました。

ある先生のパソコンがウイルスに感染し、パソコンに保存していたデータが盗まれたのです。

もちろんセキュリティ対策はしていましたが、新しいタイプのウイルスだったようです。

幸いにも個人情報は含まれていなかったので、大きな事件にはなりませんでした。

しかし、セキュリティを重点的に見直し、もっと強固な対策を施すべきではないかという話が持ち上がりました。

これは当然ですよね。

学校では、子どもの成績を始め、家庭や身体的な情報など、極めて重要な個人情報を扱います。

セキュリティを高めるのは必須の課題ですよね。

でも、大きな見直しをしようとすると、学校の数もそれなりにあったので、数千万円規模の予算が必要になることがわかりました。

しかし、市が使える予算の上限は増える見込みはありません。

ということは、セキュリティ対策を施そうとすると、なにか別の事業をやめて、数千万円のお金を生み出さなくてはいけません。

役所のあるあるなんですが、事業をやめるのってすごく大変なんですね。

その事業の恩恵を受けていた人が、それを受けられなくなると困ってしまいますよね。

そうならないように、他の事業と調整したり、別の制度を活用したり、いろいろ手間と時間がかかるんです。

ちょっと話がそれましたが、最終的に、別の数千万円規模の事業をやめて、セキュリティ対策事業に当てるということは難しいと判断され、結局この話は実現しませんでした。(いまどうなっているかはわかりませんが・・・)

でも、客観的に見たら、やっぱりおかしいですよね。

子どもたちの情報に何かあったらどうするんだ!と思うじゃないですか。

当時の僕は、市全体の予算感を持っていなかったので、一担当者として単純に悔しい思いを抱いていました。

また一方で、「いつか大事件起きるんじゃ・・・」という不安もありました。


これはひとつの体験談ですが、まわりを見渡すとこんなことはよくあります。

お金がすべてではありませんが、結局お金がないとできないことってとても多いんですよね。

まとめ

あなたがもし市役所で働くことになったら、「絶対やるべき事業だと思うけど、お金がなくて実現できない」という場面に何度も直面すると思います。

予算全体の枠が決まっているので、その中で優先順位をつけてやっていくしかないのはわかっているんですが、担当者としては悔しい思いも募ります。

勤めていた5年間で「なんだかなぁ・・・。」と何度も思いました、

しかし一方で、お金が無い中でもなんとか頑張ってやっている事業もたくさんありますし、たくさんの職員がめげずに立ち向かっているのも事実です。

暗い話ばっかりになってしまいましたが、全部が悪いことだけではありませんよ。

地方公務員への就職を検討している方の参考になれば嬉しいです。

[voice icon=”https://keshigomteki-blog.work/wp-content/uploads/2019/04/ac187f8554eb5ea799e9e73a626d14f6.jpg” name=”消しゴム的存在” type=”l”]最後まで読んでいただきありがとうございました![/voice]